DDR5 メモリは1年で4.5倍になった。ちなみにSSD はそこまで上がっていない模様

2026年のメモリ売上は前年の3.8倍で、伸び率は NAND が DRAM を上回る予測になっている。ただ秋葉原の店頭では上がり方はメモリのほうが大きく、DDR5-5600 の32GB×2枚組は去年9月の19,896円から89,980円へ。
去年の9月、秋葉原で DDR5-5600 の32GB×2枚組は19,896円でした。今月の同じ調査では89,980円になっています。4.5倍です。やばいです。半導体の市場予測を見るかぎり、この上がり方が2026年で終わる形にはなっていません。
メモリだけで8,373億ドルという予測
Gartner が8月24日に出した予測では、2026年の半導体の売上は1兆6,000億ドルになります。2025年が8,090億ドルだったので、1年でほぼ倍です。増えたぶんのほとんどはメモリで、2025年に2,200億ドルだったメモリの売上が、2026年は8,373億ドルになる見込みです。メモリ以外の半導体(2025年は5,890億ドル)を、メモリが初めて追い抜く年になります。
押し上げているのは AI のデータセンター投資です。WSTS が春に出した予測でも、2026年のメモリは前年比250%前後の伸びで8,000億ドルを超えるとしていて、調査会社が違っても絵はほとんど変わりません。
伸び率が大きいのは NAND のほう
Gartner の内訳は、DRAM が246.6%増(約3.5倍)、NAND フラッシュが371.9%増(約4.7倍)です。DRAM はメモリモジュールの中身、NAND は SSD の中身にあたります。数字だけ見れば、メモリより SSD のほうが激しく上がる年です。
ただしこれは世界の売上高の伸びで、店頭の値札の話ではありません。売上高には、単価の上昇と、出荷量と、高い製品へのシフトが全部入っています。
店頭の値札は逆になっている
AKIBA PC Hotline の価格調査で、去年9月20日時点と今年9月5日時点の最安値を突き合わせると、上がり方が大きいのはメモリのほうです。
| 品目 | 2025年9月20日 | 2026年9月5日 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| DDR5-5600 16GB×2枚組 | 9,980円 | 55,980円 | 5.6倍 |
| DDR5-5600 32GB×2枚組 | 19,896円 | 89,980円 | 4.5倍 |
| DDR5-6400 32GB×2枚組 | 26,980円 | 119,980円 | 4.4倍 |
| DDR4-3200 16GB×2枚組 | 9,880円 | 30,800円 | 3.1倍 |
| NVMe 1TB(PCIe 4.0) | 7,980円 | 21,980円 | 2.8倍 |
| NVMe 2TB(PCIe 4.0) | 12,999円 | 39,980円 | 3.1倍 |
| NVMe 8TB(PCIe 4.0) | 102,080円 | 177,980円 | 1.7倍 |
| SATA 2TB | 12,480円 | 32,980円 | 2.6倍 |
メモリが3.1〜5.6倍、SSD が1.7〜3.1倍。世界の売上高では NAND が DRAM を上回っているのに、秋葉原の値札では順番が逆になっています。最安値は特価と在庫で動くので、1行だけを取り出して倍率を語るのは乱暴です。去年の9,980円も今年の21,980円も特価品ですし、8行とも去年と今年でメーカーが違います。それでも、8行の向きはそろっています。
去年の9月、SSD はまだ下がっていた
倍率が逆になる理由の一つは、去年の出発点です。同じ週(2025年9月13日〜20日)の調査を読むと、メモリはすでに特価の終了による値上がりが出ていて、SSD のほうは高速モデルを中心に下がっていました。サムスンの「9100 PRO」が8,000円安、Crucial の「T710」が2,900円安、といった具合です。NAND の371.9%は、その底から数えた伸び率です。
もう一つは、売上の中身です。データセンター向けの SSD と HBM が伸びているぶんは、自作PC の棚には並びません。NAND の伸び率がそのまま店頭に降りてきていないぶん、SSD には上がる余地が残っていると私は見ています。
PCIe 5.0 との差は縮んだ
上がり方が均一でないので、グレードの間の差も変わりました。PCIe 5.0 の1TB は去年22,980円、今年33,800円で1.5倍です。同じ期間に PCIe 4.0 の1TB は7,980円から21,980円まで上がったので、2つの差は15,000円から11,820円に縮みました。2TB でも23,981円差が17,820円差になっています。速いほうの上がり方が小さかったぶん、今から買い足すなら上のグレードも候補に入ります。
2027年の予測も下がる形になっていない
Gartner は2027年にメモリの売上が1兆ドルを超えると見ています。WSTS の予測でも2027年のメモリは32%増で、半導体全体は1兆9,000億ドル前後です。どちらも、2026年より小さくなる形にはなっていません。
供給が緩む時期については、見方が割れています。PC Watch の福田昭さんのコラムは「2027年以降」という見方が強いと書き、サムスンは逼迫が来年さらに深まって2028年まで続くと言っています。部品を売る側の言い分は割り引くとしても、ミクロンが6月に今の高い価格のまま5年の長期契約を結んだと伝えられているほうが重いと思います。長期契約の価格は、スポット価格が落ち着いてもすぐには動きません。
19,896円だった32GB×2枚組がその値段に戻るのは、一体いつになるのか…。どれぐらい先かも現状不明です。
出典
- WSTS 世界半導体市場予測(最新リリース)
- 半導体メモリ市場が2026年に前年の3.8倍に拡大(PC Watch・福田昭)
- Chipmakers laughing all the way to the vault as memory prices go stratospheric(The Register)
- メモリ全体は小幅な値上がり [9月前半のメモリ価格](AKIBA PC Hotline!)
- Sandisk系SSDの価格が大きく上下 [9月前半のSSD価格](AKIBA PC Hotline!)
- 「DDR5-5600」16GB×2枚組が9,980円 [9月後半のメモリ価格](AKIBA PC Hotline!・2025年)
- リード7,000MB/sの2TB SSDが12,999円 [9月後半のSSD価格](AKIBA PC Hotline!・2025年)
- サムネイル写真: Photo by Sergei Starostin on Pexels