通常のPS5にもAIの高画質化が来たが、PS5 Proとの差が縮むのは対応ゲームのみか

2026年10月2日のアップデートで、『Marvel's Wolverine』と『Ghost of Yōtei』は通常のPS5でもAIの高画質化技術QSSRを選べるようになった。PS5 Proは通常のPS5より40,000円高く、その差額にはAIで映像をくっきりさせるPSSRのほかに、2TBのSSDやアドバンスドレイトレーシングも入っている。
PlayStation 5(PS5)の希望小売価格は97,980円、PS5 Proは137,980円で、差は40,000円あります。この差額で手に入るものの1つが、AIで映像をくっきりさせるPSSRです。2026年10月2日からは、それに近いことが通常のPS5でもできるようになりました。ソニー・インタラクティブエンタテインメントのQSSR(Quick Spectral Super Resolution)という技術で、『Marvel’s Wolverine』と『Ghost of Yōtei』が同じ日のアップデートで対応しています。
ただ、仕様を並べてみると、QSSRで縮むのは対応したゲームの画質の差だけです。PS5 Proの40,000円には、QSSRでは埋まらないものがまだ多く残っています。
QSSRは何をしているのか
最近の大きなゲームは、画面の点を全部4Kで描こうとすると処理が追いつきません。そこで少し低い解像度で描いておき、表示する前に拡大します。このとき足りない細部をAIに推し量らせて埋めるのが、PSSRやQSSRのような超解像の技術です。ただ引き伸ばすより、細い線や遠くの模様が崩れにくくなります。
PSSRは、PS5 Proでしか使えません。PS5 ProにはAIの計算に使う300TOPS(1秒に300兆回の演算)の専用ハードウェアがあり、通常のPS5には同じものが無いからです。QSSRは、AIの計算の仕組みであるニューラルネットワークを軽い構造にし、PS5で速く動くように手で調整して、専用ハードウェアなしで動かしています。ソニーがAMDと進めている、AIでゲームの映像を作る共同開発「Project Amethyst」から生まれた技術です。
2本のゲームでどれくらい変わったか
海外のゲーム技術メディアDigital Foundryは、2本を6時間ほどかけて試しています(Game*Sparkの記事による)。『Marvel’s Wolverine』では映像の揺れが大きく減り、風で動く木の葉のちらつきが抑えられて、細部も増えたそうです。一方『Ghost of Yōtei』の変化はそこまで大きくありません。もとの画質が十分に高かったためです。フレームレートは、それまで使っていたAMDのアップスケーリング技術FSR 3のときと同じくらいに保たれています。
それでも、PS5 ProのPSSRとはまだはっきり差があると評価されています。ソニー自身も、PSSRを「最高水準」とし、QSSRはPS5での映像の細かさと安定性を改善するもの、と分けて説明しています。どの解像度から何Kへ拡大しているのか、フレームレートはいくつなのかについては、ソニーはまだ数字を出していません。
40,000円のうち、QSSRで埋まらないもの
| モデル | 希望小売価格(税込) | ディスクドライブ |
|---|---|---|
| PS5 | 97,980円 | 付いている |
| PS5 デジタル・エディション | 89,980円 | 無し |
| PS5 デジタル・エディション 日本語専用 | 55,000円 | 無し |
| PS5 Pro | 137,980円 | 無し(別売り) |
PS5 Proの製品ページに書かれた違いのうち、QSSRで近づくのは映像のくっきりさだけです。光の反射や影を計算で描き込むアドバンスドレイトレーシングは、PS5 Proの描画の力そのものに頼る処理なので、QSSRとは関係なく残ります。SSDは2TBあり、Wi-Fi 7にも対応しています。
PS4のゲームを8,500本以上、PS5 Proで速く動かすゲームブーストもあります。PS4の頃のソフトを今も遊んでいる人には、差額のうちこの部分が意外と大きいと思います。QSSRはゲームの側がアップデートで組み込んで初めて使える技術なので、もう更新されない古いソフトには届きません。
逆に、PS5 Proに無いものもあります。ディスクドライブが付いていないので、ディスクのゲームを遊ぶなら別売りのドライブを足すことになります。縦置きスタンドも別売りです。ディスクを使う人にとってのPS5との差は、40,000円より開きます。ディスクを使わない人がPS5 デジタル・エディションと比べると、差は48,000円です。
PS5 デジタル・エディション 日本語専用の55,000円と比べると
PS5 デジタル・エディション 日本語専用は、2026年4月2日の値上げのときも55,000円のまま据え置かれました。PS5 Proとの差は82,980円で、新しいゲームのソフトが何本も買える額です。名前のとおり言語やアカウントの国・地域に制限がかかるモデルですが、QSSRは通常のPS5向けの技術なので、このモデルでも同じ設定が出るはずです。
私なら、4Kのテレビにつないで、ソニーの大きなタイトルを発売日に買って遊ぶ人にはPS5 Proを勧めます。QSSRの対応はまだ2本で、ソニーは「今後さらに多くのタイトルで使う予定」とだけ書き、次のゲームの名前を挙げていないからです。対応が増えるのを待つあいだも、PS5 ProならPSSRに対応したゲームはその画質で遊べます。
遊ぶのが年に数本で、ディスクもPS4のソフトも使わない人なら、PS5 デジタル・エディション 日本語専用の55,000円で足ります。QSSRは、そういう人にとっては後から付いてきた分です。対応したゲームではアップデートを当てるとグラフィック設定にQSSRの項目が出てきて、そのために本体を買い替える必要はありません。
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