耳をふさがない AirPods 5 だと、電車の中の低い音がソニー WF-1000XM6 ほど消えないかも

High-quality image of wireless earbuds and charging case on marble surface, showcasing modern technology.

AirPods 5 のノイズキャンセリングは中高音にはよく効くが、電車や飛行機での低い音は減らしにくい。ソニー WF-1000XM6 は23,800円の AirPods 5 より15,800円高く、ノイズキャンセリングをオンにして倍の8時間もつ。

AirPods 5 とソニーの WF-1000XM6 はどちらもノイズキャンセリングを売りにしていますが、耳の穴に栓をするかどうかで、静かになる音の高さが変わります。耳をふさがない AirPods 5 で残りやすいのは、電車や飛行機のゴーッという低い音のほうです。WF-1000XM6 はその低い音までよく消せますが、値段はソニーストアで39,600円と、AirPods 5 の23,800円より15,800円高くなります。

耳をふさがないと、どの音が残るのか

9月18日に出た AirPods 5 は、耳の穴の入り口に乗せるだけで、イヤーピースで栓をしない形です。Apple の説明では、ノイズキャンセリング付きの AirPods 4 より雑音を最大50%多く減らし、耳をふさがないタイプの中では最高クラスです。ただ脚注を読むと、最高クラスの根拠として比べた相手は、テストの時点でよく売れていた耳をふさがないワイヤレスヘッドフォンです。最大50%のほうも、比べた相手は耳をふさがない AirPods 4 です。WF-1000XM6 のような密閉型と比べた数字は、発表の中にありません。

どこまで効くのかを、イヤホンの測定をしているレビューサイトの SoundGuys が、9月22日のレビューで測っています。外の騒音は、耳で感じる大きさにして平均59%小さくなりました。よく減ったのは1,000Hz から9,000Hz あたりの中高音で、500Hz より下はうまく減らせていません。SoundGuys は、これまで測った耳をふさがないイヤホンの中では最もよく効くとしながら、AirPods Pro 3 のような密閉型にはかなわないと書いています。

電車の走行音や飛行機のエンジン音のうち、体に響くようなゴーッという音は、この500Hz より下に入ります。耳をふさがないイヤホンは音楽の低音も隙間から逃げやすく、同じレビューも、着け方が合っていないと低音がすぐ痩せると書いています。騒音を打ち消す音も音楽と同じスピーカーから出ているので、低い音ほど消しにくいのは、この形から来ているのでしょう。

WF-1000XM6 は、XS から L までの4サイズのイヤーピースで耳の穴に栓をして、まず外の音をさえぎります。そのうえで、マイク8個と新しいプロセッサー QN3e で、残った音を打ち消します。栓をしてあるので、低い音を打ち消す音も耳の中から逃げにくい。ソニーは前の WF-1000XM5 より騒音を25%減らしたとしていて、製品ページでも、減らせる音として乗り物の騒音を挙げています。

電車や飛行機の音を消したくてノイズキャンセリングのイヤホンを買うなら、15,800円足して WF-1000XM6 にしたほうがいいと思います。AirPods 5 で残りやすいのが、ちょうどその低い音だからです。

耳をふさぐのが苦手なら

AirPods 5 を選ぶ一番の理由は、耳をふさがないことです。SoundGuys も、密閉がどうしても合わない人でなければ、軽く密閉するだけのイヤホンでもいくつもの点で AirPods 5 を上回る、と書いています。イヤーピースで耳の穴を押される感じが嫌で密閉型を避けてきた人でも、AirPods 5 なら耳を開けたままノイズキャンセリングが使えます。

汗や雨にも、AirPods 5 のほうが強くできています。防塵・防水はイヤホンもケースも IP57 で、ほこりが入りにくく、一時的に水に沈んでも耐える等級です。WF-1000XM6 は IPX4 で、水しぶきに耐える程度にとどまります。

気をつけたいのは、イヤーピースが無いぶん、耳に合わなかったときに合わせ直す手段が無いことです。SoundGuys は、AirPods 5 では耳への収まり方がほとんどすべてを決めると書いていて、合っていないとノイズキャンセリングも低音も弱くなります。レビューを書いた1人は、30分ほどで本体が耳の内側に軽くこすれ始め、長く着けるのがつらくなったそうです。Apple は前よりも多くの耳の形に合うようにしたとしていますが、WF-1000XM6 のように4サイズから選ぶことはできません。

電池は4時間と8時間

AirPods 5 には23,800円のモデルと、ワイヤレス充電ケースが付いた27,800円のモデルがあり、電池の時間もモデルで違います。Apple の発表で、ノイズキャンセリングをオンにして5時間(ケース込みで22時間)とあるのは、27,800円のほうです。23,800円のモデルは、イヤホン単体で4時間(ケース込みで20時間)です。WF-1000XM6 はノイズキャンセリングをオンにして8時間、オフなら12時間もちます。

通勤なら、降りるたびにケースへ戻すので、4時間でもまず困りません。差が出るのは長距離の飛行機や、仕事中にずっと着けているときで、23,800円の AirPods 5 は WF-1000XM6 の半分の時間でケースに戻すことになります。AirPods 5 は5分の充電で約1時間聞けるので、休憩のたびに戻せるならやりくりはできます。

Android でも AirPods 5 は使える?

AirPods 5 は Android のスマホにもつながりますが、Apple は仕様のページで、他社の機器と使うと機能が制限される場合があると書いています。うなずいて Siri に答える頭のジェスチャーのように、iPhone が無いと成り立たない機能もあります。SoundGuys も、多くの機能が Android や Windows では動かず、Android につないでも音質の面で得をすることはないとしています。

WF-1000XM6 はソニーの Sound Connect アプリで、iPhone からも Android からも設定できます。Android なら、ソニーの高音質な伝送方式の LDAC で聞けて、Google の Gemini にも対応しています。パソコンとスマホの2台に同時につないでおけるマルチポイントも使えます。

iPhone は LDAC に対応していないので、WF-1000XM6 を iPhone で使うと、音は AAC という標準的な方式で届きます。それでも、ノイズキャンセリングはイヤホンの中で処理しているので、効き方はどちらのスマホにつないでも変わりません。

出典

  1. AirPods 5 - 仕様 - Apple(日本)
  2. WF-1000XM6 | ヘッドホン | ソニー
  3. AirPods 5 の発表(Apple Newsroom 日本)
  4. サウンドエンジニアと共創。世界最高クラスNC性能の完全ワイヤレスヘッドホン『WF-1000XM6』発売(ソニー ニュースリリース)
  5. We tested the AirPods 5, and the fit makes or breaks the entire experience - SoundGuys
  6. サムネイル写真: Photo by ready made on Pexels