Claude Haiku 5.5のコスパは最高か?

Yellow torn paper revealing 'Good Price' text, perfect for sales and marketing themes.

Anthropicが10月7日に公開したClaude Haiku 5.5のAPI料金は、100万トークンあたり入力0.10ドル・出力0.50ドルで、Claude Haiku 4.5の10分の1。

AnthropicのAIモデルClaudeに、10月7日、いちばん安くて速いClaude Haiku 5.5が加わりました。開発者が自分のアプリやサービスからClaudeを呼び出すときの料金(API料金)は、100万トークンあたり入力0.10ドル、出力0.50ドルです。トークンはAIが文章を数える単位で、前のClaude Haiku 4.5の入力1ドル・出力5ドルと比べると、ちょうど10分の1になりました。ただ、この値段が付くのは、1回に送る文章が10万トークンまでのときだけです。

ほかのモデルとの単価の差

会話を続けるアプリでは、それまでのやり取りを毎回送り直します。そのため、前に送った文章を一時的に取っておいて読み直すキャッシュ読み込みの単価も、払う額に効いてきます。

100万トークンあたり入力出力キャッシュ読み込み
Claude Haiku 5.5(10万トークンまで)0.10ドル0.50ドル0.01ドル
Claude Haiku 5.5(10万トークンを超えたとき)0.50ドル2.50ドル0.05ドル
Claude Haiku 4.51ドル5ドル0.10ドル
Claude Sonnet 5.52ドル10ドル0.10ドル
Claude Opus 5.54ドル20ドル0.20ドル
Claude Fable 5.110ドル50ドル0.25ドル

急がない依頼をまとめて出し、結果をあとで受け取るバッチ処理なら単価はさらに半分で、Claude Haiku 5.5は10万トークンまで入力0.05ドル・出力0.25ドルです。Claude Sonnet 5.5のキャッシュ読み込みも、いまの料金表では0.10ドルで、入力の単価の20分の1になっています。

10万トークンを超えると何が起きる?

料金表の説明では、文章の長さは1回のリクエストごとに数え、キャッシュから読んだぶんも、キャッシュに書き込んだぶんも含めます。10万トークンを超えたリクエストは、キャッシュから読んだ部分があっても、入力も出力も高いほうの単価になります。Claude 4.6以降のほかのモデルは100万トークンまで同じ単価なので、この区切りがあるのはClaude Haiku 5.5だけです。

入力10万トークン、出力1,000トークンの依頼なら、料金は0.0105ドルです。入力が10万トークンを少しでも超えると0.0525ドルになり、ほとんど同じ依頼の値段が5倍に跳ね上がります。

会話を続けるアプリや、AIが自分で手順を進めていくエージェントでは、やり取りが積み重なって、どこかで10万トークンを超えます。そこから先は、毎回のリクエストが高いほうの単価です。古いやり取りを要約して短くすれば、10万トークンの手前に収めることもできます。

10万トークンを超えてもClaude Haiku 4.5の半分

超えたあとの単価の入力0.50ドル・出力2.50ドルは、Claude Haiku 4.5のちょうど半分です。同じ依頼をClaude Haiku 4.5で出すと0.105ドル、Claude Sonnet 5.5なら0.21ドルかかります。単価で見る限り、10万トークンを超えたClaude Haiku 5.5でも、Claude Haiku 4.5より高くなることはありません。

ほかのClaudeと性能はどれくらい違う?

AnthropicはClaude Haiku 5.5の発表で、前のClaude Haiku 4.5と、ひとつ上のClaude Sonnet 5.5のテスト結果を同じ表に並べています。%で比べるテストでは、Claude Sonnet 5.5との差はほとんどが7〜15ポイントです。Terminal-Bench 4.0だけは、30ポイント以上離されています。

テスト(何を測るか)Claude Haiku 5.5Claude Haiku 4.5Claude Sonnet 5.5
GDPval-AA v2.1(44職種の実務の作業)1620点735点1840点
AA-Briefcase v1.1(知識労働)1578点614点1824点
OSWorld 2.1(パソコンの操作)72.4%15.7%83.9%
Humanity’s Last Exam(専門家レベルの問題、ツールなし)45.9%10.2%56.9%
Humanity’s Last Exam(専門家レベルの問題、ツールあり)57.4%18.7%64.5%
Terminal-Bench 4.0(ターミナルでの何段階もの作業)39.2%0.0%70.6%
Chartography(グラフの読み取り、ツールなし)46.4%6.4%61.6%

GDPval-AA v2.1とAA-Briefcase v1.1は、AIの性能を比べている会社のArtificial Analysisがつける点数で、%ではありません。OSWorld 2.1は、課題のうち「Offline subset」と呼ばれる一部だけで測った値です。

Terminal-Bench 4.0は、コマンドを打ちながら何段階もの作業を最後までやり切れるかを見るテストです。Anthropic自身も、AIに自分で手順を進めさせる込み入ったプログラミングには、Claude Sonnet 5.5とClaude Opus 5.5のほうが向いていると書いています。ほかのテストより差が大きく開く理由は、まだ分かっていません。

画面を見てパソコンを操作するOSWorld 2.1では、Claude Sonnet 5.5との差は11.5ポイントです。ツールを使ってよい条件のHumanity’s Last Examでは、7.1ポイントまで縮まります。10万トークンまでなら入力の単価は20分の1なので、画面の操作や、ツールを使った調べものを大量にさせる用途なら、Claude Haiku 5.5から試していいと思います。

Claude Opus 5.5とClaude Fable 5.1はこの表に入っていませんが、Claude Sonnet 5.5の発表とClaude Fable 5.1の発表に、同じテストの数字があります。Terminal-Bench 4.0はClaude Opus 5.5が66.4%、Claude Fable 5.1が55.8%で、単価の高いこの2つもClaude Sonnet 5.5には届いていません。ツールありのHumanity’s Last Examでは、Claude Opus 5.5が67.7%、Claude Fable 5.1が65.0%でした。Claude Opus 5.5のTerminal-Bench 4.0は、effort(どれだけ考えさせるかの設定)をXhighに上げたときの値です。どれもAnthropicが測った数字ですが、Claude Haiku 5.5とは別の発表に載っているものです。

開発者向けの資料の比較表では、いまの4つのモデルの速さが4段階で示されています。Claude Haiku 5.5が「Fastest」、Claude Sonnet 5.5が「Fast」、Claude Opus 5.5が「Moderate」、Claude Fable 5.1が「Slower」です。Claude Fable 5.1は難しい推論や長時間のエージェントの作業に向けたモデルで、入力の単価は10万トークンまでのClaude Haiku 5.5の100倍です。

何に向いたモデルか

Anthropicの説明では、Claude Haiku 5.5は、大量の依頼を待たせずに返したい用途、たとえば文章の分類や情報の抜き出し、依頼をどのモデルに回すかの振り分けに向けたモデルです。コーディングやツールの使い方もClaude Haiku 4.5から大きく伸びたとしていて、利用企業のBoxのBox AIでは、Claude Haiku 4.5より11ポイント高い結果が出て、待ち時間は約半分になったといいます。読み込める文章は100万トークン、1回に書ける答えは12万8,000トークンまでで、Claudeのアプリでは無料プランからPro、Maxまで使えます。Claude Haiku 4.5も旧モデルとして使え、Claude Haiku 5.5は2027年10月7日より前に提供を終えることはないとされています。

出典

  1. Claude Haiku - Anthropic
  2. Introducing Claude Haiku 5.5 - Anthropic
  3. Pricing - Claude Platform Docs
  4. Models overview - Claude Platform Docs
  5. Introducing Claude Sonnet 5.5 - Anthropic
  6. Introducing Claude Fable 5.1 and Claude Mythos 5.1 - Anthropic
  7. サムネイル写真: Photo by Adriana Beckova on Pexels