Pixel Watch 5 と Apple Watch Series 12の血圧関係機能について

Smartwatch charging with a digital time display, extra strap nearby.

どちらも毎朝血圧関係のスコアは出ますが、血圧に関わる機能はApple の高血圧パターンの通知が30日ぶんのデータを必要とし、Google の血管ストレスは月ごとのまとめとなります。代謝ストレスがあるのは Pixel Watch 5 だけ。

健康機能を目当てにスマートウォッチを選ぶと、Pixel Watch 5 と Apple Watch Series 12 は9,000円差でApple Watchの方が高いです。どちらも朝にその日の回復具合などをスコアで出すところまで同じですが、血圧に関わる機能は、両方とも1か月ぶんのデータがたまるまで何も返してきません。

毎朝のスコアは、どちらも集計される

Apple は Series 12 で光学式心拍センサーのグリーン LED を大きくして、心拍を一日じゅう5秒ごとに測るようにしました。心拍変動(心拍の間隔のゆらぎ。疲れやストレスの目安に使われる)は5分ごとです。PC Watch によると、この頻度は Series 11 と比べて心拍が最大60倍、心拍変動が最大24倍にあたります。集めたデータは、最近のアクティビティ、トレーニングの負荷、バイタル、睡眠スコアと合わせて0〜10の「準備度」になり、休養・無理せずに・準備完了・絶好調の4段階の助言が付きます。

Pixel Watch 5 にも同じ役割のものがあります。Google Health の準備度スコアで、睡眠と心拍変動と安静時心拍から計算され、範囲は0〜100。Google のヘルプには、1日1回、ベッドから出ておよそ20秒以内に計算されると書かれています。

点数の刻みは違いますが、朝に一つの数字を受け取って、その日の運動量を決めるという使い方は同じです。

1か月ためるのは、Pixel だけではない

Pixel Watch 5 が今年足した Health Guardian は、血管ストレス、代謝ストレス、睡眠中の呼吸の質、呼吸の緊急事態検知の4つです。このうち血管ストレス(英語では Blood pressure trends、日本とメキシコでは Vascular Stress)と代謝ストレス(同 Insulin resistance trends)は、Google Health アプリに月ごとのまとめとして出ます。睡眠中の呼吸の質は毎朝見られて、月ごとの評価もつく形です。

Apple の高血圧パターンの通知も、着けた翌日から働くものではありません。光学式心拍センサーのデータから高血圧の兆候が続いていないかを見る機能で、PC Watch の記事には分析に30日分のデータが必要だと書かれています。

Pixel Watch 5Apple Watch Series 12
毎朝のスコア準備度スコア(0〜100)準備度(0〜10)
血圧まわり血管ストレス(月ごと)高血圧パターンの通知(30日ぶんのデータが要る)
インスリン抵抗性代謝ストレス(月ごと)無し
睡眠中の呼吸呼吸の質(毎朝+月ごと)睡眠時無呼吸の通知
呼吸の緊急事態検知ヨーロッパの一部の国のみ無し
月額コーチは Google Health Premium不要

血圧のところだけ、どちらのメーカーも1か月を単位にしています。1日や2日の脈のゆらぎでは血圧の傾向が出ないからで、これは時計の出来ではなく測っているものの性質です。買ってすぐ何か分かると思って選ぶと、どちらを買っても最初の1か月は肩透かしになります。

高血圧パターンの通知は、日本でも使える

この機能は日本でも2025年12月4日から使えるようになっています。対応は Apple Watch Series 9 以降と Ultra 2 以降なので、Series 12 を買えばそのまま入っています。ただし血圧を測るわけではなく、高血圧と診断するものでもありません。兆候を知らせるところまでです。

Pixel Watch 5 の血管ストレスのほうも、Google が「血圧計の代わりではない」「高血圧のスクリーニングに使うものでもない」と書いています。どちらも、血圧計を1台持っている人が「気づく」ために足すもの、という位置づけです。

血圧が心配で時計を選ぶなら、この機能の有無で決めるより、測り方が自分の生活に合うかで決めたほうがいいと思います。Apple は30日ぶんためて兆候が出たときだけ通知し、Google は毎月まとめを出します。何も起きていないことを毎月確かめたい人には Google、何か起きたときだけ知りたい人には Apple が向きます。

代謝ストレスに当たる機能は Apple に無い

代謝ストレスは、血液検査をしないで、数週間ぶんの生体データからインスリン抵抗性(血糖を下げるホルモンが効きにくくなっている状態)の傾向を追う機能です。Google は、インスリン抵抗性の変化に気づいていない大人が4割ほどいる、という数字を挙げてこれを出しました。Apple Watch には、これに当たるものがありません。

ただ Google も「糖尿病の事前スクリーニングではない」「リアルタイムに血糖値を測るものでもない」と断っています。毎月、傾向が動いたかどうかを見るだけのものです。

呼吸の緊急事態検知も Pixel Watch 5 にしかありませんが、提供はヨーロッパの一部の国だけで、日本では使えません。EU で CE マークを取った状態で、眠って30分を過ぎると働かない仕様なので、夜通しの見張りにはなりません。

月額がかかるのは Google のほう

Google Health Premium は日本も提供国に入っています。Pixel Watch か Fitbit を買うと3か月ぶんが付き、Google AI Pro か Google AI Ultra に入っている人は追加料金なしで使えます(時計側は必要です)。Premium で増えるのは、準備度スコアを読んで練習と休養を組み立てる Google Health Coach のような機能です。

Apple 側は、準備度も心電図も睡眠時無呼吸の通知も、購読なしで使えます。お金がかかるのは Apple Fitness+ のようなトレーニング動画のサービスで、計測や通知とは別立てです。

値段の差は9,000円

Pixel Watch 5 は41mm が62,800円、45mm が67,800円で、8月20日に出ています(LTE は79,800円と84,800円)。Apple Watch Series 12 は42mm のアルミニウム・GPS モデルが71,800円からで、9月18日発売です。

ただ、この9,000円で選べる人はあまりいません。Pixel Watch は Android のスマホ、Apple Watch は iPhone とだけつながるので、手元の電話で先に片方に決まります。

決まったあとに効いてくるのは、代謝ストレスが要るかどうかです。インスリン抵抗性の傾向を見たいなら Pixel Watch 5 しかなく、それ以外の健康機能は、名前と刻みが違うだけで同じ場所を測っています。

出典

  1. Apple Watch Series 12(Apple 日本)
  2. まったく新しいヘルスセンシングシステムを搭載したApple Watch Series 12を発表(Apple ニュースルーム)
  3. Google Pixel Watch 5 is here with new health features and Gemini AI(Google ブログ)
  4. Track subtle changes in your body with Health Guardian features on Pixel and Fitbit(Google ブログ)
  5. Understanding your readiness score in the Google Health app(Google Health ヘルプ)
  6. Google Health Premium のサブスクリプションを登録または管理する(Google Health ヘルプ)
  7. グーグル「Pixel Watch 5」を発表、血管や代謝のストレス傾向も可視化(ケータイ Watch)
  8. Apple Watch Series 12発表。最高精度の心拍センサー搭載、環境音認識も(PC Watch)
  9. Apple Watchで利用可能になった「高血圧パターンの通知」 どんな人に便利なのか?(ITmedia Mobile)
  10. 高血圧不安ニキこそ持つべき。Apple Watchの「高血圧パターンの通知」は生活習慣病予防の救世主か?(PC Watch)
  11. サムネイル写真: Photo by Beksultan Aliev on Pexels